不動産レポート2022年10月:購買活動が弱まり取引数下降へ

不動産レポート2022年10月:購買活動が弱まり取引数下降へ

戸建もコンドミニアムも
販売日数が増え平均19日間

バイヤーによる不動産購買活動の勢いは引続き落ち着いた状態を保ち、昨年対比の取引数は戸建住宅が41.7%、コンドミニアムが28.8%と、どちらも減少しました。また、中間販売価格の上昇においても勢いは減速し、昨年同月より戸建住宅は5%アップの$1,050,000、コンドミニアムは4%アップの$520,000でした。

2022年10月物件取引成立までの平均日数は、戸建住宅とコンドミニアムのどちらも19日間で、前年より約8〜9日間増加しました。

販売提示価格より高値で取引された数は、戸建住宅とコンドミニアムの両方が減少傾向にあります。10月に取引が成立した戸建住宅物件のうち50%のセラーが販売提示価格か、またはそれ以上の金額を受け取り、残り半分となる50%の取引は販売提示価格を下回る金額になりました。昨年10月は75%の戸建住宅物件が販売提示価格かそれ以上の金額で取引されたという結果と比較すると、大きく差が出ました。コンドミニアムの市場で販売提示価格かそれ以上の高値で取引された物件数は、今年10月が48%で、昨年同月は59%です。

戸建住宅物件において$800,000〜$999,999の価格帯が最も多く取引成立し、全体の31.5%を占めましたが、取引数は昨年10月より42.6%減少しています。$2ミリオン以上の高額物件においては63.3%の大幅減少となりました。ダイヤモンドヘッドとエヴァプレインの地域は最も販売数の減少が大きく、それぞれ62%と53%という結果でした。

9月と同様にコンドミニアムの市場では、$799,999以下の物件の取引された割合が多かったものの、昨年同月よりも34.4%減少した一方、$800,000以上の価格帯はやや上昇し4.6%アップとなりました。最も取引数の減少があった地域はエヴァプレインとメトロエリアで、それぞれ50%と24%という結果でした。

今年10月、新規リスティング数は減少し、昨年同月比で戸建住宅がマイナス24.2%、コンドミニアムがマイナス25.8%でした。どちらのマーケットも10月末までにエスクローまたは取引完了となった新規リスティング数は約30%で、昨年の戸建住宅56%、コンドミニアム48%と比較すると減少しています。

戸建住宅の在庫はどの価格帯でも増加しましたが、なかでも$800,000〜$999,999の価格帯の物件は昨年対比2倍以上の153.2%でした。また、在庫数の増加はどの地域においても見受けられました。エヴァプレイン、リーワード、マカキロ、パールシティのエリアはとくに昨年より2倍以上となりました。コンドミニアムも同様にオアフ島ほどんどのエリアで在庫数の増加がありましたが、ダイヤモンドヘッドとパールシティにおいては、それぞれ43%と26%の減少となりました。コンドミニアムの在庫数を価格帯別に昨年と比較すると、$100,000〜$399,999は22.6%の減少、一方で$500,000〜$699,999は73.4%の増加がありました。

10月のペンディングセールス数はどちらのマーケットも減少し、戸建住宅がマイナス50.5%、コンドミニアムがマイナス45.7%でした。

「資金調達コストの上昇がバイヤーの購買活動を減衰させ、セラー側が昨年より1週間以上も長い時間を販売に費やすという結果に繋がっています」と、ホノルル不動産協会会長のチャド・タケスエ氏は述べます。「バイヤーとセラーが現在のマーケットで新たなバランスを模索するなか、2021年と比較すると弱まった競争が繰り広げられています。」

参考:Honolulu Board of REALTORS®