不動産レポート2022年6月:販売数減少とコンドの価格上昇

不動産レポート2022年6月:販売数減少とコンドの価格上昇

急速な金利上昇の影響が
販売ペースや価格調整にも

先月6月、オアフ島における物件の販売数は下り坂にあり、前年同月比で戸建住宅は20.8%、コンドミニアムは14.2%の減少がありました。しかしながら、パンデミック以前の2019年に比較すると今だに好調といえ、戸建住宅が9.2%、コンドミニアムは32.3%上回っています。

中間価格は戸建住宅が昨年対比12.4%上昇し$1,100,000、コンドミニアムは16.1%上昇し$534,000という新記録で先月の記録$516,500を3.4%上回りました。エスクローに入るまでの期間は引き続き2週間以内が多く、先月6月の平均日数は、戸建住宅が昨年の8日間よりやや長くなり10日間で、コンドミニアムは安定し11日間でした。

早いペースではあるものの契約数は落ち込み傾向にあります。ペンディングセールス数は3カ月続けて減少し、昨年対比の戸建住宅は27.7%、コンドミニアムは24.8%、ともにマイナスでした。

地域別にみると、なかでもダイヤモンドヘッドとエヴァプレインは最も大幅な落ち込みで、昨年対比それぞれ60.9%と27.1%の減少でした。

在庫数はいまもなお歴史的な低レベルにありますが、昨年夏と比べると39.8%増加しています。エヴァプレインとリーワードの地域の在庫数はとくに倍以上となる急激な増加でそれぞれ194%と104%でした。

販売提示価格より高値で取引された物件は戸建住宅が62%で、前年同月より6%やや減少。リーワードとカネオヘの地域ではペンディングセールス数が最も減少しそれぞれ68%と63%マイナスでした。

コンドミニアムの市場では$700,000〜$1,199,999の価格帯の物件販売数が47.9%増加した一方、$699,999以下の価格帯の物件販売数が最も落ち込み、昨年対比25.8%減少でした。在庫数は2.6%やや減少。提示価格より高値で取引成立した数は、全体の43%で、昨年の41%をやや上回りました。ペンディングセールス数はどの地域とどの価格帯でも減少し、とくに著しかったのはメトロエリアの28.8%マイナスでした。

6月の価格は昨年の夏と比較すると、戸建住宅とコンドミニアム両方とも低下しました。戸建住宅の場合、販売提示価格より下がった在庫は、昨年6月が20%にあたる74件のリスティングだったのに対し、今年は30%でした。コンドミニアムはも同様に販売提示価格を下回ったリスティングは増え、今年6月は27%(271件)、昨年は22%(227件)でした。このデータはすべての値下げが6月に起こったのではなく、6月現在の在庫物件で販売提示価格より下がっていたものを集計しています。

新規リスティングの数は昨年対比で減少し、戸建住宅は18.9%、コンドミニアムは12.5%マイナスでした。6月に新規リスティングとしてマーケットに出た戸建住宅のうち半数を超える58%は同月末にも残っており、昨年6月の38%より増加しています。コンドミニアムも同様に昨年6月が49%だったのに対し今年は58%でした。

「金利の急速な上昇はバイヤーの方針を変え、予算や住居に求めるものを見直すきっかけとなっています」とホノルル不動産協会会長のチャド・タケスエ氏は述べます。「新規リスティングは激動だった昨年と比較すると長くマーケットに留まっています。セラー側もマーケットの状態に合わせて戦略の調整を図っています。ここ数カ月、戸建住宅とコンドミニアム両方のセラーが販売提示価格を下げる傾向が見受けられます」。

参考:Honolulu Board of REALTORS®