不動産レポート2021年9月:まだ続く販売価格を上回る取引
戸建もコンドも競争は続く!
高値での取引がさらに活発に
毎年この時期、オアフ島の不動産マーケットは月毎の売上が減少する傾向にあり、今年も例年通りの結果が見受けられました。しかしながら、市場活動がゆるい下り坂だったにも関わらずホームバイヤーたちの勢いは止まることなく、物件を手にするためにバイヤーの大半が販売価格を上回る金額でオファーを入れるという競争が続きました。
9月の戸建住宅とコンドミニアムの販売数は、前年同月比それぞれ8.4%と34.9%増加という結果に。しかし、前月の8月と比較すると、戸建住宅は0.2%ダウン、またコンドミニアムは8.9%ダウンしています。
【戸建住宅販売数】
2021年9月:424
2020年9月:391
2021年8月:425
【コンドミニアム販売数】
2021年9月:615
2020年9月:456
2021年8月:675
中間価格は、戸建住宅が$1,050,000(+19.3%)、コンドミニアムが$478,000(+7.4%)と、前年対比でどちらも上昇しました。2021年9月に$1ミリオン以上で取引された戸建住宅は全体の約57%にも及びます。$1,000,000〜$1,399,999の価格帯に該当する物件の販売数が最も成長し、前年同月の2倍以上でした。
この9月、戸建住宅3軒あたり2軒が、元の販売提示価格より高値で取引されたといえます。オーバーアスキングプライスでの競り合いはオアフ島のなかでもとくにエヴァ・プレイン地区が顕著で、その地区における第三四半期の販売数の80%を占めました。コンドミニアムの販売数においては、$700,000以上の物件が前年9月が57軒だったのに対し今年9月は129軒と、約2倍という結果でした。また、オーバーアスキングプライスでの取引はこの第三四半期、全体販売数の39.6%。セントラル、エヴァ・プレイン、マカキロ地区では70%にも及びました。
どちらのマーケットも2020年より新規リスティングが増加しているものの在庫の減少は著しく、販売開始から同月末には急激な減少が見られます。戸建住宅の在庫数は全体で17.4%減少し、とくにダイヤモンドヘッドとノースショアのエリアではそれぞれ49%と59%の減少でした。9月のコンドミニアムの新規リスティングは合計738軒で前年同月比プラス28.1%ですが、在庫数の割合はマイナス40.9%という結果です。
「ファミリー層が新学期やホリデーシーズンを迎える準備に取り掛かるこの時期、例年通り今年も販売数の減少がありました」。ホノルル不動産協会(Honolulu Board of REALTORS®)会長のシャノン・ヘブン氏は、「市場活動の衰えが見受けられるものの、オーバーアスキングプライスでの競争は続いています」とコメントしています。