不動産レポート2021年12月:2021年は売主優位の好調な年に

不動産レポート2021年12月:2021年は売主優位の好調な年に

引き続き最速で売買成立
在庫減少による高値取引も

2021年12月、オアフ島における住宅市場の物件販売数は、戸建住宅が前年同月比10%のやや減少、コンドミニアムが15.4%の増加で幕を閉じました。

前年対比のデータを戸建住宅とコンドミニアムそれぞれ見ると、戸建住宅の新規リスティング数、取引中の物件数、エスクロー期間中の在庫数を含むすべてが減少。一方コンドミニアムの市場は引き続き力強い伸び率で、新規リスティング数13.1%増加、取引中の物件数16.7%増加、エスクロー期間中の在庫数11.5%増加という結果でした。

2021年オアフ島での総合セールスは2020年から37.3%増加を記録。戸建住宅は17.9%増加、コンドミニアムはなんと53.1%の増加でした。中間価格は戸建住宅が販売提示価格の102%、コンドミニアムが100%。これは半分以上を占める戸建住宅の売り主が販売提示価格よりも高値の金額で、また、少なくとも半分のコンドミニアムの売り主が販売提示価格またはそれ以上の高値で取引を成立したことを意味します。平均販売日数はそれぞれ戸建住宅が9日間、コンドミニアムが12日間でした。

2021年は前年と比較し2桁に及ぶ数字の上昇が目立つ一年となりました。戸建住宅の年間中間価格は2020年が$830,000だったのに対し2021年は$990,000で19.3%増加。販売提示価格より高値で取引された物件数は、2020年が全体の31%だったのに対し、2021年は60.8%でした。

販売された戸建住宅のうち$700,000〜$999,999の価格帯の物件が全体の40%を占めました。しかしながら取引数の増加が顕著に見受けられたのは、$1ミリオンかそれ以上の価格帯の高額物件です。$1,000,000〜$1,499,999の価格帯は84.5%、$1,500,000〜$1,999,999の価格帯は95.6%、$2ミリオンかそれ以上の価格帯は2倍以上の145.5%でした。

コンドミニアムの販売数は$400,000〜$499,999の価格帯が18.4%増加、また、中間価格が$475,000で2020年の$435,000より9.2%上昇。コンドミニアムの市場においてもも特筆すべきは戸建住宅の市場と同様に倍増した高額物件の取引です。$600,000〜$999,999の価格帯が114.6%、$1ミリオンかそれ以上の価格帯が162%という結果でした。

コンドミニアム物件の需要増加が要因となり在庫数は驚くほど減少し、一部地域でとくに競争が激化しました。2021年、オアフ島のコンドミニアムに特化した市場において、販売提示価格より高値で販売された物件数は全体の36.8%、多くの地域では50%以上という割合になりました。

「2021年は売主優位の市場だったと言えます」と、2022年ホノルル不動産協会(Honolulu Board of REALTORS®)会長のチャド・タケスエ氏は述べます。「物件がマーケットに出てからエスクローに至るまでの記録的な速さだけでなく、複数オファーと特別高値での取引が顕著に見受けられました。」

2021年は年間を通じて戸建住宅の高需要ではありましたが、夏から初秋にかけ、バイヤーが在庫の少なさとモーゲージレートの若干の上昇に直面したことで、最後の四半期のセールスは横ばい状態となりました。

「戸建住宅市場の高需要と在庫の欠如が要因となり、バイヤーの購入意欲はコンドミニアムへシフトする傾向にありました。それにより、コンドミニアムの市場でもエリアによっては競争が激化し在庫が減少。結果的に2021年のコンドミニアム物件の販売数は増加し、オアフ島全体のどの地域でも販売数増加へと繋がりました」と、タケスエ氏は言及しています。

参考:Honolulu Board of REALTORS®