アロハスタジアム再開発が描く、オアフ島の新しい街

アロハスタジアム再開発が描く、オアフ島の新しい街

オアフ島中部のアロハスタジアム周辺では、現在ハワイ州最大級の再開発プロジェクトである「New Aloha Stadium Entertainment District(NASED)」が進行しています。新しいスタジアムの建設に加え、住宅や商業施設、ホテルなどを一体的に整備する大規模な街づくりプロジェクトです。オアフ島の新たな都市拠点の形成を目指すものとして注目されています。

©️https://alohastadium.hawaii.gov/


1|新アロハスタジアム建設

アロハスタジアムは老朽化により2020年に閉鎖され、現在は新たな多目的スタジアムへの建て替えが進められています。新スタジアムは約31,000席を備え、将来的な拡張も可能な設計となる予定です。スイートルームやクラブラウンジも整備され、フットボールやサッカー、コンサートなど幅広いイベントに対応できる施設となります。開業は2029年頃を予定しています。

2|『街づくり』が本題

今回のプロジェクトの特徴は、スタジアム建設そのものではなく、その周辺を含めた大規模な街づくりにあります。

約98エーカーの敷地では、住宅、ホテル、オフィス、レストラン、小売店、エンターテインメント施設、公園などを組み合わせた「Live, Work, Play(住む・働く・遊ぶ)」型のコミュニティ形成が計画されています。

開発は20年以上をかけて段階的に進められる予定で、現在の構想では約4,100戸の住宅と3棟のホテルなどが含まれています。

3|なぜこの場所なのか

アロハスタジアム周辺は、ホノルルと西オアフを結ぶ交通の要所に位置しています。近年はカポレイやエヴァ地区を中心に住宅開発が進み、西オアフの存在感が高まる一方で、雇用や商業機能の多くは依然としてホノルル側に集中しています。

その中間に位置するアロハスタジアム周辺は、両エリアをつなぐ交通結節点として重要な役割を担っています。

これまでのハラワ地区は、工業系・物流系施設が多く立地し、交通の利便性は高いものの、居住エリアとして注目される場所ではありませんでした。しかし今回の再開発によって、住宅や商業施設、エンターテインメント機能が加わることで、新たな都市拠点としての発展が期待されています。

4|Skylineが支える新しい街づくり

アロハスタジアム再開発の特徴のひとつが、Skylineの駅「Hālawa–Aloha Stadium Station」に隣接している点です。

駅はスタジアムから徒歩圏内にあり、駐車場も整備されています。今後は新しい住宅や商業施設が加わることで、鉄道を活用した都市開発の拠点としての役割も計画されています。

こうした考え方は、「トランジット・オリエンテッド・デベロップメント(TOD)」と呼ばれ、公共交通を中心に住まい、商業、雇用を集約する都市開発の手法として世界各地で採用されているものです。

5|どのような都市を目指すのか

これまでのアロハスタジアム周辺は、イベント開催時を除けば、多くの人が「通過する場所」という印象を持つエリアでした。しかし再開発後は、住む人、働く人、訪れる人が日常的に集まる街へと変化していくことが期待されています。

また、Skyline駅に隣接する立地を活かし、自動車だけに依存しない都市づくりを進めようとしている点も、近年の都市開発において重視される「歩きやすさ」や「公共交通との連携」と共通しています。

オアフ島では近年、カカアコをはじめとする大規模な再開発が進められてきましたが、アロハスタジアム周辺は海沿いの高密度な都心開発とは異なり、交通結節点としての機能やエンターテインメント施設との連携を活かした、新しいタイプの街づくりとして注目されています。

完成までにはまだ長い時間がかかります。しかし、現在のカカアコが長い年月をかけて街の姿を変えてきたように、アロハスタジアム周辺もこれから少しずつ新しい景色をつくっていくことでしょう。

©️https://nased.hawaii.gov/plr-release/